パーキンソン病にリハビリが重要なことは以前から言われており、ガイドラインでは、太極拳やロボットアシスト歩行練習、ダンス、LSVT BIGⓇの有効性が報告されています(パーキンソン病ガイドライン2018)。
この中で登場するLSVTというのは、Lee Silverman Voice Treatmentの略称で、Ramigらが1994年に考案したパーキンソン病に対する発声発話訓練法です。2000年代になり、音声だけでなく、体を動かす理学療法や作業療法領域への応用されはじめました。パーキンソン病に特化したリハビリプログラムです。
鳥取医療センターで勤務していた時に、LSVTⓇを使用したパーキンソン病集中リハビリ入院を何度も経験しましたが、確かに患者によっては動きが良くなって大変満足されて退院されるということを複数回経験しました。これまで薬剤調整しかしたことがなかったので、指導医であった土居充先生(現・鳥取医療センターパーキンソン病センター長)から、運動療法の重要性を教えていただき大変驚いたことを覚えています。
具体的なLSVTプログラムの実施は、セラピストの先生方がされていたので、私は指導することができませんが、何度か私自身もプログラムに参加した経験からは、通常のよくあるリハビリよりも、いわば大げさに大きく動いて、声を大きく出すことを、徹底的に繰り返すような構成でした。LSVT® LOUDというリハビリプログラムは、誤嚥性肺炎を繰り返す方など、嚥下障害をお持ちのパーキンソン病患者へも効果があるといわれています。
現在、当院では、パーキンソン病リハビリを他施設のセラピストにお願いしておりますが、ゆくゆくは当院でもLSVTⓇを中心としたパーキンソン病に特化したリハビリプログラムを提供できればと考えております。神戸ではボクシングでリハビリをされている施設があったり、パーキンソン病リハビリに対して積極的な機関が多くて良いですね。引き続き関係各所と連携取り合いたいと思います。